スーツを買いに行ったらバストが90センチと言われて驚きました。
長尾 惇平です。
ということで全身で前進が漸進の話です。
これまで、サイズの原理といって人間が運動で使っている筋肉は
遅筋繊維が優先的に動員されて、時間や強度の変化で動員される筋肉が速筋繊維に変わる話や、
高強度のトレーニングが過負荷の原則に基づいて必要であるという話をしました。
※日常生活が最大筋力の30%の強度で、体を変化させるには60%の運動強度が必要です。
こういった話をする際に必ず皆さんから
「マッチョにならないの?」や「そんなにしんどいことは私にはできないなぁ」というお問い合わせをいただきます。
その点にお答えしましょう!
まず、マッチョになるかどうかですが、
ボディビルダーのような体系を想像している方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言いますと
「なりません」
①運動強度の70%以上の強度でのトレーニングを行なう必要がある。
②相応のたんぱく質を摂取する必要がある。
③体重を増やすための食事を摂る必要がある。
これはすごーく大変なことです。
例えば、体重を増やすための食事となると、1日5食で10,000kcalの食事をすることや、
牛乳で換算すると13ℓ飲むほどのたんぱく質を摂取する必要があります。
本当にマッチョになれると思いますか?
実は体重や体の大きさは減らすことよりも増やすことのほうが難しいのです。
※増やすというのは除脂肪体重の話です。
次にそんなにしんどいことは私にはできないと思っている方。
いきなりは無理です。
人間の筋肉は以下の順で変化が起きます。
①神経系の改善
②筋持久力の向上
③筋肥大
なので、トレーニングは次の順で強度を上げていきます。
①運動神経に刺激を与える。→一定以上の強度が必要ですが、継続した運動が何よりも大切。
②筋持久力を上げるトレーニング。→20回以上できない運動、20秒以上できない運動がよいです。
③筋肥大のトレーニング。→12回以上できない運動です。もしも、体を大きくしたくない箇所があればセーブしてもよいです。
④専門的なトレーニング。→特異的な動きが必要な場合、補助エクササイズを交えて行うことが大切。
いきなり、②や③の強度まで上げる必要はありません。
まずは運動神経を起こして体を動かしやすくすることや運動になれるのが第一条件です。
ここに2週間から1.5ヶ月かけていきます。
しかし!ここが重要です。
この段階では体の具体的な変化は起きていません。筋肉量や速筋繊維に大きな変化は起きないのです。
なので、②、③へ進まなければならないのです。
②、③の段階で速筋繊維に変化が起きて筋肉量が増えます。
痩せたい人なら代謝が上がって痩せやすく、マッシブになりたい人なら筋肉量が増えて体が大きくなる、
疲れやすいという悩みの方は疲れにくくなります。
競技をしている人はパフォーマンスが上がるのです。
皆様がもしも「なんかあんまり変わらないなぁ」と心で思っている方は、
②、③へ進んでいないからです。
このことを漸進性の原則といいます。
身体を変えたい人はこの原則を抑えていないといけません。
最終的には高強度でトレーニングしなければなりません。
しかし、それは今ではないのです。
計画的にトレーニングの内容を決めて、1か月後、3か月後にどのレベルまでトレーニングの強度上げるのか、
どのマシンで、どの回数、何キロで行うのかを考えることが非常に重要なのです。
計画的にすこしづつ前進すればよいのです。それが漸進。
前回も言いましたが、トレーニングやサプリメントは薬ではありません。
「効く」なんていう胡散臭いことは言いません。
「やったらまし」なんてこともありません。
短期間で体重だけ減らすことも幸福とは言えないのです。
皆様の人生が豊かになるために継続的な運動をしていただきたいです。
そのサポートを全身全霊させていただきます。
最後に豆知識。
ウエストのサイズを減らしたいという方。
クランチ(一般的な腹筋)ではウエストのサイズは減りませんよ。
腹筋を6つに割りたければ別ですが。
四つん這いになってお腹を引っ込める運動に変えてください!
ということで全身で前進が漸進の話でした。
では。
長尾 惇平